野村誠の作曲日記

作曲家の日記です。ちなみに、野村誠のホームページは、こちらhttp://www.makotonomura.net/

日仏共同作品「妖怪ケマメ」

日本のジャグリング・カンパニー「頭と口」とフランスのジャグリング・カンパニー「DeFracto」の共同作品に関わることになった。

 

1)昨年2月の京都のこと。ジャグラーの渡邉尚くん、編み手の儀保桜子さんが我が家を訪ねてきて、渡邉尚くんとギョーム・マルティネの映像に、その場で即興でピアノを弾いて音楽を提供した。

 

2)数週間後、パリでのこと。パリで、渡邉くんとギヨームの稽古場を訪れ、即興で音をつけてセッションをした。これが、ギョームとの初対面。そして、正式に彼らの作品に音楽家として関わることになった。

 

3)今年の1月、彼らが京都でクリエーションをしているところを訪ねて、セッション。瓦を鳴らしながらセッション。

 

4)今年3月には、イギリスに寄るついでに、パリを訪ねて1週間滞在し、渡邉くんとギヨーム、儀保さん、さらには音楽家のシルヴァンと濃密なクリエーションをして、何曲も新曲をつくったりレコーディングをしたりした。

 

こうした4つのステージを経て、今日から、神奈川芸術劇場(KAAT)でクリエーションに参加。顔見知りのメンバー以外に、ドラマツルグのジョアン、照明のあるレック、衣装のエマなども来日。日本からは、映像撮影、制作スタッフの方々、舞台スタッフの方々もいて、本格的な濃密なリハーサル。

 

淡路島から瓦が、鳥取の「たみ」からミニピアノが届き、初日から音をつけてリハーサルができた。3月の時と、当然ながら作品は大幅に進化しているので、とりあえず、全体を把握することが今日の目標で、通し稽古も一回見られたのと、じっくりミーティングもできたので、順調。ジャグリングと言うけど、道具を使うダンスのようであり、演劇のようであり、しかも通常のジャグリングではあり得ないようなことばかりだけれども、様々なジャグリングの技法や哲学が潜んでいて、大変面白い。

 

それと、フランス語の通訳なしに、フランス人と日本人が、お互いに片言の英語で一生懸命コミュニケーションして創作しているのも面白い。ネイティブじゃないので、言葉がスラスラ出なかったりするが、伝えようと努力する分、かえって身振りや手振りも含めてよく伝わる。面白い現場。

 

10月5日、6日に各2公演、計4公演。チケット好評発売中。

 

www.kaat.jp