野村誠の作曲日記

作曲家の日記です。ちなみに、野村誠のホームページは、こちらhttp://www.makotonomura.net/

戸惑いはどこかへ飛んで行った

鶴見部屋でのJACSHA(日本相撲聞芸術作曲家協議会)合宿が終わる。最後に、國王神社を訪れた。坂東市は、1100年ほど昔に、平将門が活躍した土地。将門は、天皇に反逆し、自ら新皇を名乗り、討ち取られて、京都でさらし首になり、後に、将門の呪いなどを恐れられる。これは、朝廷側の論理であり、将門の側から見たら、また別のストーリーがあるだろう。坂東市では、至る所で将門が祀られていて、将門がいかに人々に愛される英雄であったかを思い知る。実際、國王神社に行くと、将門の祟りどころか、非常に安らかな気が充満している。メディアの伝える情報だけで判断してはいけないと、つくづく思う。

 

池袋に移動。明日、明後日、「夏休みこどもアートサーカス」という催しがあり、野村の出番は、明日のコンサートと、明後日のワークショップ。鍵盤ハーモニカのホースを忘れたために、楽器屋さんを何軒もめぐる。そして、ついにホースを見つけて購入。しかし、ヤマハが大人向けピアニカを昨年販売開始をしたことを知らず、試奏したところ、購入の価値ありと判断し、購入。明日のコンサートでは、こちらも使ってみよう。

 

豊島区役所に移動。共演の中川賢一さん(ピアノ)、鵜木絵里さん(ソプラノ)、野尻小矢佳さん(打楽器)とのリハーサル。野村の新曲「夏休みこどもアートサーカス」も4人で演奏してみて、譜面通りやっているのに、即興セッションしているみたいな雰囲気で楽しく演奏。ソプラノの鵜木さんは、こうした楽譜の音楽は初めて演奏するそうで、最初は戸惑っておられたが、演奏を重ねるごとに、どんどん、どんどん、どんどん、本領を発揮し、戸惑いはどこかへ飛んで行った。そして、ビデオに撮って、みんなでチェックして、明日に向けて準備万全。その他、野尻さんと「Slapping Music」、中川さんと「相撲聞序曲」をリハーサル。野尻さんと中川さんによるマトルダンスというデュオも迫力満点の音楽。明日が楽しみ。