作曲をすることは、橋をかけることだ。そこにいつも魅力を感じている。ヴァイオリンと、だじゃれを言う動画が共演する曲はなかった。この異質な二つが共存できるように橋をかけること。出会うことのない世界の間にバイパスを通すこと。それは、大きな作曲への意欲になっている。ヴァイオリンとバリガムランの時もそう。普通だったら、出会わないものの出会い。
だから、ヴァイオリンとピアノという編成で作曲するとなった時、最初、どこに橋をかけていいか分からなかった。ヴァイオリンとピアノは、クラシック音楽で最もオーソドックスな編成の一つだ。でも、相撲の呼びあげの声をテーマに作曲しようと思った瞬間に、クラシック音楽と相撲の間に橋をかければいいのだ、と思うと、作曲に着手できた。ぼくは、溝やギャップや隔たりを見つけないと作曲できないのかもしれない。
作曲も終わって、これから遠征なのだが、その前に、8月25日のコンサートに向けて、ピアノの練習。2007年に作曲したアコーディオンとピアノのための「動物の演劇組曲」が大作で、12年前に書いた譜面を見て、今の自分とも作風が違って予想のつかない音の並びに苦労する。2曲目の「シシオザル」アコーディオン+ピアノ版は、トリッキーで難しい。とりあえず、時間を見つけて特訓!
今日から東北遠征。新幹線で移動。