香港のi-dArtでの滞在制作の日々がつづく。「ノムラとジャレオとサクマの問題行動ショー」という6月29日の豊中(大阪)での公演の準備。
i-dArtのマコトバンド選抜メンバー13人との集中リハーサル。本日は、午前中2時間、午後2時間半の4時間半。
JCRCという巨大福祉施設の様々な施設から集まった13人が、このクリエーションを通して、お互いに仲良くなっている。個性的なメンバーだが、一緒に何かをするのが難しいと思っていたが、今は和気藹々と一緒にストレッチをしたり、共演したりできる関係になっている。だから、行列になってみたり、手をつないでみたり、今までに試さなかった、どっちかというと一般のワークショップでありがちなコミュニケーションゲーム的なことも、今頃になってやってみる。
今まで、ダンスや音楽を試してきたが、今日はトークも試した。マイクを持って、佐久間さんが日本語を喋り、彼らが広東語かデタラメ語を喋る会話。これも、一人ひとりで違う個性が出て、コントのようになったり、ダンスになったり、可能性が一気に広がった。
ノリノリちゃんの太鼓やダンスは、相変わらず凄い。これに佐久間さんや野村が、ぶつかり稽古をしていく感じ。ようやく、がっぷり四つに組めた感触を得る。
爆発ピアノくんは、これまでは、他の人が演奏に加わると、拒絶して制していた。自分の世界を守っていた。ところが、今日は自分からタンバリン娘を誘い込んでセッションしたし、盲目のバンドリーダーさんの手をとって、楽器のところまで連れて来た。何かが彼の中で変わってきている。
仕切り女王は、砂連尾さんが帰国してしまって、別人のようにテンションが低い。砂連尾さんとのデュオが見られるのは、6月だ。
手品の達人が太鼓を演奏すると、動きも面白い。彼は、常に演劇的で、時にブルース・リーのようになり、佐久間さんと戦う。
MTR Remixさんは、マイクで佐久間さんとやりとりすると、広東語と日本語の中間のような言葉が生まれてきて、面白い。彼女は、言葉を扱えるアーティストなので、言葉、声をテーマに色々できる。一方、舌出しピアノくんは、佐久間さんと「フ」だけで会話する。
こうしたセッションを動画で記録しているので、これらを叩き台に、ぼくは新曲を書いて、日本センチュリー交響楽団の巖埼友美さん(ヴァイオリン)と、吉岡奏絵さん(クラリネット)とピアノのトリオで演奏する予定。砂連尾さんや佐久間さんの不思議なダンスのために。