野村誠の作曲日記

作曲家の日記です。ちなみに、野村誠のホームページは、こちらhttp://www.makotonomura.net/

音楽と政治のフォーラム

パリのクリエーション最終日で、今日もシルヴァンと新しい曲を作ったりして、10月5日、6日のKAAT(神奈川芸術劇場)でのジャグリング公演に向けて、必要な楽曲は全部つくれた。ピアノ、鍵盤ハーモニカ、瓦の人力演奏と、瓦や小物打楽器の装置での自動演奏と、シンセサイザーの音などの様々な組み合わせの音楽。次は9月に日本でのクリエーション。「頭と口」の渡邉尚くん、儀保桜子さん、DeFractoのギヨーム、音楽家のシルヴァン、衣装のエヴとお別れ。飛行機にのって、イギリスのエクセターに飛ぶ。

 

パリからエクセターというマイナーな空路に乗っている人は、イギリス人かフランス人くらいしかいないようで、入国審査でEU市民でないのは、おそらくぼくだけ。他の人は次々に入国。ぼくだけ、色々しつこく質問されて後、入国。

 

迎えに来てくれたヒュー・ナンキヴェルと再会。彼の車で、エクセターのフェニックスに行く。10年前にここのラジオに出演したことがある。

 

https://makotonomura.hatenablog.com/entry/20090713/p1

 

今日は、ヴァイオリニストのEmma Weltonが不定期に開催する音楽とアートに関するフォーラムに参加。今日のテーマは、「音楽と政治」。小さな部屋なので、11人の人が参加だが、満席。全員が話し合うフリーディスカッション。自作楽器をつくる人、現代音楽の作曲家、地元で新しい新聞を始めようとしている人、アマチュア楽家など。

 

ぼくが話したことは、たとえ楽器の技術や音楽の知識が少ないとしても、自分自身の音楽をつくることを推奨する活動をしている。同様に政治も、たとえ政治のアマチュアであろうと、自分自身の政策を考え、政治に参加していけることが重要なのではないか。しかし、プロの政治家たちは、そうした参加型の政治のワークショップなど、真剣に取り組んでいるのだろうか。それから、政治というのは、法律をつくることでもあるので、それは、ルールをつくることである。即興のためのルールをつくることが作曲になることもある。この場合、いかに各自が柔軟に自由に幸福でいられるルールをつくるか、が重要になる。そうしたルールを作曲できるか?政治家は、そうした法律を作曲できるだろうか?

 

などなど、語り合う。横に細長い巨大なカリンバを創作している人、面白かった。