野村誠の作曲日記

作曲家の日記です。ちなみに、野村誠のホームページは、こちらhttp://www.makotonomura.net/

北国の冬の文化活動

十和田市現代美術館10周年記念企画「アートなたび」の準備に来て3日目。このツアーは、3月5日、6日に、各定員10名ほどで行われる計画なので、遠方から毛利悠子展を見に来ようという方で、この日程が可能な方は、この日程に十和田に来るのが超オススメ。常設展示と、毛利展と、野村誠の音楽と、十和田の町巡りが、1日で全部体験できますよ。詳しくは、近々、十和田市現代美術館のウェブサイトで正式に公開になると思いますので、完売になる前にぜひ、ご予約を。

 

さて、今日は、十和田の町のいろんな人々の生活に中に、どんどん飛び込んだ濃い1日だった。最初は、ピアノサークルのおばさま方(+男性が一人)の集い。公民館で毎週ピアノの先生に、一人15分ずつピアノを教わる集いだが、それ以外の時間は皆さんでストーブを囲んでお喋りする語り場。合計で10名以上の方が集われていて、ピアノを大人になってから始めた初心者の方が多く、先生が丁寧にご指導。中島みゆきから、クラシック、リチャード・クレイダーマンまで、生徒が弾きたい譜面を持ってくる。先生に花マルをつけてもらうのが喜び。

 

ピアノサークルのメンバー(かつて高校の数学の先生だった方)に連れられて、その方のかつての教え子で、その後、職場の同僚になった元高校の理科の実験の先生のお宅を訪ねる。いきなり見ず知らずの方の家の中に、お宅訪問し、お茶とお菓子をご馳走になりながら、いろいろなピアノにまつわるお話を伺い、ピアノを弾かせていただき、お宅の観葉植物の見事さや雛人形やテディベアや庭や色々なものを味わって、充実の打ち合わせ。

 

続いて、別のピアノサークルのメンバーのお宅にお邪魔する。フォークダンスが趣味でスコットランドブルガリアなどにも出かけたり、オーディオに凝っていて、非常に貴重な音源を、良質なオーディオで聞かせてもらったり、こけしや瓦や様々なコレクション談義になったり、ピアノを弾かせていただけたりする。

 

お宅にお邪魔して思うのが、北国の冬の過ごし方だ。今日出会った人々は、とにかく多趣味の教養人。室内で味わう趣味が多彩な人が多くいる。現代美術館にそれほど縁がない人々が、こんなに文化的に豊かな暮らしをしているのを垣間見れたことは印象的。こうした人々と現代アートにどうやって接点がつくれるか、今回のツアーに可能性を感じたりもする。

 

美術館の里村さん、鳴海さんと打ち合わせをして、ツアーの概要もほぼ確定してきた。近日、募集開始。乞うご期待。