野村誠の作曲日記

作曲家の日記です。ちなみに、野村誠のホームページは、こちらhttp://www.makotonomura.net/

しょうぶ学園訪問2日目

鹿児島のしょうぶ学園を訪ねる二日目。

しょうぶ学園のホームページによれば、

社会福祉法人太陽会しょうぶ学園では、障害を持つ人たちの感性あふれる創作姿勢に魅せられ、工芸・現代アート芸術・音楽を中心に創造的な活動を行っています。

香港のJockey Club Rehabilitation Complexという福祉施設内のi-dArtというアート活動に参加している12名の感性溢れる人々と、付き添い介護者12名、合計24名に、俳優の倉品淳子さんと作曲家の野村誠が同行。彼らの「日本九州藝術交流之旅」というイベントの最終日なのです。

午前中は、otto & orabuという音楽グループのリハーサルを見学。土曜日に、コンサートをするので、本番に向けてのリハーサル。
施設長の福森伸さんのダイナミックな指揮で、打楽器アンサンブルotto、ボイスアンサンブルorabuを主体として、鍵ハモ、ヴァイオリン、ギター、トランペット、キーボードなどの楽器もいる。30人近い大楽団。3曲聞かせてもらい、休憩の後、2曲聞かせてもらい、再び休憩。その後、ステージが明け渡され、香港チームがステージにのぼる。しょうぶ学園のメンバーの多くはステージからおりる。ステージに乗り切る人数に限りがあるし、楽器に限りがある。香港のi-dArtのメンバーは、物怖じすることなく、楽しそうに楽器をやり始める。ま、ぼくらは、土曜日にコンサートを控えているわけではないので、ただ自由気ままに音で遊ぶ。

よくよく考えると、2日後に本番を控えている人々が、全然違うことをすると、混乱して本番に支障が出ると申し訳ないのだが、そんなことを気にしても始まらないので、楽しくセッション。舞台に上って来ない人のところに、シンバルを持って行ったりして、舞台が客席エリアにまで拡張していくと、観客席にいた人が舞台に上がって踊り出したり、楽器をやったり、境界が取り払われて行くような感覚が面白かった。せっかくなので、orabuという叫ぶ合唱も体験させていただきました。

午後は、寮の見学の後、皆さんは工房でのワークショップのつづき。ベリーニとメーリンと倉品さんとぼくは、施設長との意見交換。しょうぶ学園の理念など、いろいろ質問が続く。ぼくは、時々通訳補佐。その後、30分のしょうぶ学園紹介番組の映像も見て、ここでの2日間の交流は終了。

桜島を見て、夕食とって、買い物して、香港の人々との最後の夜は、終わっていく。