野村誠の作曲日記

作曲家の日記です。ちなみに、野村誠のホームページは、こちらhttp://www.makotonomura.net/

九州大学公開講座

城崎国際アートセンターを出発し、京都に戻りたいものの、そのまま福岡を目指す。電車で6時間の旅。

車内で眠ること半分。残りの半分で、「ネッテイ相撲」に関する原稿を書いてみる。書くことで、いろいろ浮き彫りになることも多い。JACSHA(日本相撲聞芸術作曲家協議会)の本に向けての書き下ろし。

九州大学大橋キャンパスに着く。研究員の村谷さん、そして、香港から来たi-dArtのベリーニ、メーリンと3ヶ月ぶりの再会。俳優の倉品さんもいる。今日の午後は、倉品さんとの演劇ワークショップが最高だったそう。興奮さめやらぬうちに、打ち合わせを経て、九州大学ソーシャルアートラボのシリーズ「アートと社会包摂」公開講座「『障がい者アート』の可能性in香港」が始まる。

メーリンによるJCRC(香港の巨大福祉施設)の紹介、ベリーニによるi-dArt(同施設内でのアートでのソーシャルインクルージョンを展開するプロジェクト)の紹介を経て、野村の香港でi-dArtとの3ヶ月の活動の紹介、そしてディスカッション、質疑応答と続いた。印象深かったのは、「(野村誠が)滞在した3ヶ月を経て、参加していた利用者の人が変わったということだけでなく、施設職員の利用者を見る目が変わったことが、何より大きい」という発言。障害者が変わるとか、ということではなく、障害者に周囲がどのような視線を送り、どのように対するか、という環境の変化こそ大切だ、という議論は印象深かった。