野村誠の作曲日記

作曲家の日記です。ちなみに、野村誠のホームページは、こちらhttp://www.makotonomura.net/

チェンマイ3日目

昨日のラジオ局のメンバーの一人が教えているタサラ小学校へ行く。校庭の巨大な樹の木陰にみんなが集まってくる。この木の下でよく勉強するらしい。チェンマイでは、毎週金曜日は、伝統の日となっていて、全生徒が伝統衣装を身につけ、算数でも社会でも音楽でも、とにかく伝統文化と関連させて学ぶことになっている。こういう政策をしているのは、タイの中でもチェンマイだけらしい。日本で、週に一度、全生徒が着物で通う日がある市町村があるだろうか?しかも、全科目を日本の伝統文化に関連させて学ぶ日がある、というのも、政策として凄い。

チェンマイの歌を歌って教えてもらったが、全く真似できずにタイ語の凄さに驚愕。短くて単純ということで、炭坑節の「月がーでたでーた月がでたーヨイヨイ」だけを教えてみたが、子ども達は、全く真似できない。こんな単純な日本語が真似できないのが意外。アナンが、月に関する日本の話を知りたい、というので、「かぐや姫」の話をすると、一文ずつタイ語に訳しながら、その辺にいる子どもを「竹」役にしてみたり、「赤ちゃん」役にしてみたりしながら、全ての話を語っていった。「ただ、話すよりも、断然、楽しい」とアナン。ストーリーを語りながら、即興演劇にしていく。その後、この話をテーマにした即興演奏を聴いてもらったりして、おしまい。

給食の様子(麺だった!)を見学したり、学校にある楽器(アンクルンや太鼓)を見せてもらったりして、学校をあとに。

午後は、チェンマイ大学へ。ここの美術学部は、美術だけでなく、ダンススタジオもあるし、楽器もあるし、総合的に学べる美術学部。野外で、アナンとぼくとクミコさんと、キアットコンという若いダンサー、マイケルという舞踏ダンサーで、即興をすることに。キアットコンというダンサーは、タイの伝統舞踊のダンサーで即興なんてやったことがなかったらしいが、凄く入り込んで、とても良い踊りをしていた。その後、教室に移動し、アナンのサウンドインスタレーションと、ぼくの「ズーラシアの音楽」、「音楽畑」、「根楽」のインスタレーションの話などをして時間切れ。ドイツ人舞台美術家/プロデューサー、作曲家のジョー、演出家のコップ、他、色んなメンバーとの集いで、チェンマイの今後について語り合った後、チェンマイ空港からドンムアン空港に戻り、バンコクの家へ。久しぶりにバンコクに帰ってきた。濃いチェンマイの3日間だった。