野村誠の作曲日記

作曲家の日記です。ちなみに、野村誠のホームページは、こちらhttp://www.makotonomura.net/

ジョグジャの芸大にて、ディスカッションいろいろ

ジョグジャの芸大、大学院の作曲の授業。メメットさんの授業だが、今日は、ぼくの作品のプレゼンとなり、朝9時の講義に出席することに。こちらの9時だから、少々遅れて始まるだろうと、9時15分頃に行くと、もう全員集合して、まだかと待っていた。先週紹介した「音楽畑」の写真を見せ、さらには「根楽」の写真を見せ、音源も紹介。さらに、先週の講義で話題にした「あいのてさんレコーディング祭」の音源も紹介。あとは、色々音源が聴きたいようだったので、90年代初期にやっていたバンドpou-fouの音源とその作曲方法に関する解説、ジャワ・ガムランのインスピレーションによる「南の北斎」(尺八+箏+イギル+木琴)と、さらにそこから変形させたピアノソロ曲「アンダルシアにて」。弦楽四重奏ズーラシア」と「アートサーカス」の一部。箏独奏曲「押亀のエテュード」などを紹介。「たまごをもって家出する」、「しょうぎ作曲」など、冒頭部分から終わりまで変化し続け、冒頭部分と終わりが、随分違う景色になる作品について語ると、メメットさんが「違う場面がバラバラに分断されているのではない。全てがつながって、全体が一つになっている。そこが大切。」と、語る。この人、やっぱり大学の先生だったんだなぁ、と思う。

午後に、芸大の美術学部の学食にて、ウーキルのトークがあると言うので、行ってみる。通路のような廊下のようなところで、パソコンからプロジェクターで壁に映像を投影。大きなギターアンプで、音を再生。結構、ノイズ系な音が流れてきて、しかも、高周波の音が耳に痛い。ウーキルのトークが始まる気配はないが、学生らしき人やバンドマンっぽい若者が、集まっている。そのうち、映像の上映会がいつとはなく始まったようだ。映像は、展覧会らしき様子と、その会場で行われたライブらしきものの映像(エフェクターをつないで様々なノイズを出している、マイクを持って絶叫している、など)。そして、ウーキルの作品や演奏の映像は一切出てこない。どうなってんだ、これ。

で、散々、映像が流れた後に、司会の兄ちゃんが何やら話し始めて、ウーキルにコメントを求める。どうも「Bukan Musik Bukan Seni Repa(音楽じゃない、美術じゃない)」というタイトルの展覧会のレビューをする集まりだったようで、ウーキルはその展覧会に出品もしていなければ、ライブもしていないが、コメンテーターとして呼ばれていたらしい。音楽と美術の融合に関する展覧会が開かれていることが見れただけでも、面白かった。ディスカッションの内容は、会場が響き過ぎて、ほとんど聞き取れなかったのに、最後に、ウーキルからコメントを求められて、マイクを渡されて困ったけれど、でも、うまく笑いがとれて良かった。その後、日本からバティックの留学に来られている方とお茶をし、久しぶりに日本語をいっぱい喋る。