野村誠の作曲日記

作曲家の日記です。ちなみに、野村誠のホームページは、こちらhttp://www.makotonomura.net/

静岡県立美術館「絵から音楽をつくろう」

今日と明日は、静岡県立美術館で、「絵から音楽をつくろう」というワークショップ。正直申しまして、「絵から音楽をつくる」なんて、安直でありがちなアイディアで、そんなの面白くない、と昔のぼくは思っていました。でも、2004年、イギリスのブラックプールに滞在した時に、偶々やってみて以来、これに、はまってしまいました。考えが変わりました。これは、何度やっても面白いし、毎回、全く違った発見ができます。やっぱり、頭で考えるだけじゃなくって、実際やってみないと分からないものですね。

本日は、

小松均:「赤富士 上下」
池大雅:「龍山勝会・蘭亭曲水図屏風」
石田幽汀:「群鶴図屏風」
山本探川:「宇津の山図屏風」

の4曲を絵から解読しました。「赤富士」は、ダイナミックで巨大な富士山が描かれているのですが、実に細かい11の場面の曲になり、池大雅の中国を描いた屏風は、意外にエスニックな響きでリズミカルになり、石田幽汀の鶴の屏風には、5種類の鶴が49羽描かれており、5種類の音を49個並べて作曲しても良さそうで、「宇津の山屏風」も独特なメロディーが出てきました。

これらの曲を、ぼくがピアノ曲として再構築します。