野村誠 「プールの音楽会」
NOMURA Makoto 《Concert in a swimming pool》野外公演の委嘱があった時、あの蒸し暑い名古屋の夏に何ができるだろうと考え、プールを思いついた。ただ、ぼく自身、プールには、あまり良い思い出がない。体育の授業の水泳は、憂鬱で、水に顔をつけることさえ恐怖だった。気力を振り絞って息を吸い込み、死に物狂いでバタバタと力尽きるまで泳ぎきった結果は、いつも５mで、そんなぼくの泳ぎを、友人たちはゴジラが暴れているようだと笑った。
誰よりも大きな音を立て、誰よりも派手な水しぶきをあげていたあのゴジラ泳ぎを肯定すること。「プールの音楽会」は、そこから出発している。水がリコーダーや竹筒と出会う繊細な音色。水泳の名手の奏でる音楽とゴジラ泳ぎの音楽の夢の共演。水しぶきのオーケストラの強烈なフォルテッシモと密やかなピアニッシモ。
暑いですが、水の音色に耳をお傾けください。
この原稿を書きながら、作品について構想中です。
http://aichitriennale.jp/artists/performing-arts/akoto-nomura.html
また、以下のサイトでトリエンナーレTVが見られるそうですが、マッキントッシュに対応していないので、ぼくは見られません。ウインドウズの方は見られるそうです。ぼくのインタビューもあるようです。
http://www.doga.pref.aichi.jp/ch5/index.html
