野村誠の作曲日記

作曲家の日記です。ちなみに、野村誠のホームページは、こちらhttp://www.makotonomura.net/

くりくら音楽会

野村誠林加奈デュオと、富樫春生+吉見征樹デュオ、そして、アンコールで、全員セッション。

野村誠のソロをやって、その後にデュオ。
ピアノのソロは、1月に京都でソロコンサートをやって、3月3日に名古屋でもソロライブをやりました。これからも頻繁にやっていこうと思っています。

今回のデュオの林さんは、かなり独特なアプローチで自由度も高いので、どうなるかやってみるまで分かりませんでしたが、いくつか印象的な場面がありました。
個人的には、ほとんど無音に限りなく近い、ピアノから離れて、手が空中をゆっくり弧を描きながら、たまに鍵盤に触れて音を発するシーンが好きでした。
あと、ピアノにキスをしたくなって、キスしました。ピアノにキスをしたのは、初めてかも。

ピアノの周りを走ったりもして、走りながら演奏したりもしました。

ダンパーペダルとウナコルダペダルを、踏んだり離したりするだけで、鍵盤はふたを閉じてしまって、というシーンもあった。こういう静かな音を、お客さんと集中して聴いている時間が愛しかった。

客席にいた子どもが鍵を首からぶら下げて、鍵を鳴らしていたので、ぼくも急きょ、楽屋から自分の鍵を持って来た。たまたま、鍵に、カエルがついていたので、林さんがカエルの物語を語った。後ほど、ぼくもカエルの物語を語った。

後半、子どもに一緒にピアノを弾こうと引き込んで一緒に弾いたのに、そろそろおしまい、と言ったら、子どもは納得がいかなかったみたいで、エンディングは、ピアノを弾きながら、ぼくが勝手な人なので、一緒にやろうと誘いながら、そろそろ約束の時間で終わらなあかんねん、とか、いろいろ語って、次の富樫さんのライブでは、静かに聴いていて、舞台に出たら、きっと怒られるよ、やめとき、と言って、終わりました。(でも、あの子、富樫さんのライブにも、出て行ってたわ。2人もOKがあったら、みんなOKって勘違いするなぁ。他のコンサート行って、大丈夫かなぁ?)

ピアノという楽器を巡って、いろいろ触発されることがありました。もっと、ピアノが弾きたくなりました。