野村誠の作曲日記

作曲家の日記です。ちなみに、野村誠のホームページは、こちらhttp://www.makotonomura.net/

自分も生まれる旅@カフェスロー

武元さん、山尾さんのお宅に宿泊。朝ゆっくりお話をして後、国分寺のカフェスローへ。

「お産を楽しむ本」著者の有砂山さん、自然育児友の会の内田さんとお会いし、ランチを食べながらミーティング。

本番の前に、とんでもない豪雨がスコールのように降りまくり、It rained cats and dogs、ネコと犬どころか、様々な動物が降ってきて、こんな中で来ていただけるお客さんとは、なんと素晴らしいのだろうと、それだけで感動。

1部は、「自分も生まれる旅」の40分のスライドショーに合わせてのピアノ演奏。ビッキー曰く、映画を見ているよう。ぼくは、できるだけ小細工なく素直にピアノを弾こうと思い、弾いていたら、だんだん自分自身がお産をしているような感覚になり、スライドに音楽をつけているということをしているのかどうかも分からなくなる。自分自身に向き合う時間にもなる。理屈はなくなってしまい、感覚だけになってしまったような40分でした。

2部は、トークと、朗読、そして、野村の2000年のピアノ曲「たまごをもって家出する」。ぼくは、1999年に一年間老人ホームのプロジェクトをして、人生の最晩年の人々とディープに関わって、その翌年の2000年に、5歳のことと、人生ということに向き合うこのピアノ曲を書いた。そしたら、大学の自動学科の先生になって、その後の3年間、人生の始まりのことに関わった。有砂山さんの朗読では、何世代かの人生が絡み合っていて、それは、ぼくの曲とも共通することだったので、死と生は隣り合わせであることを再確認しながら、今日の時間を噛み締める。「たまごをもって家出する」の最後に、「あおーーん」という叫び声がある。あれは、一体何なのだろうと、作曲して17年の歳月が経つと思うけれども、なんだか妊婦さんが獣のような声を出す、と言っていた、その声かもしれない、と思った。

ビッキーの口琴が凄い口琴だということを知るなど、色々な交流のあった後、ホテル泊。