野村誠の作曲日記

作曲家の日記です。ちなみに、野村誠のホームページは、こちらhttp://www.makotonomura.net/

NONベクレル食堂と25日の会

大学生の頃、京大西部講堂で色々な方々にお世話になりました。その中には、筋の通った社会派の活動家の方や、パンクロッカー、テント芝居、実験映画やパフォーマンスなどいて、それぞれのやり方で、表現したり、発信したり、抵抗したり、表明したりしていました。そんな中に、ロクローさんという方がいまして、精力的に大掛かりなライブを自主企画されていました。ロクローさん企画のライブ前に、ぼくがやったコンサートで、後かたづけがきちんとできていなくて、注意されたこともありましたし、ロクローさんが企画したコンサートで、ジョン・ゾーンのライブで、当日になって急遽、5つほど譜面台が必要となった時に、慌てて譜面台を手配して、少しは助けられた時などもありました。あれから、20年以上、ロクローさんとお会いすることがなかったのですが、最近、風の噂に、ロクローさんが「NONベクレル食堂」という食堂をやっておられる、と聞いて、これは行かねば、と訪ねて行きました。なんと20数年ぶりの再会でした。

http://non-bq-shokudou.com/


全食品の放射能を測定して、セシウムを検出しなかったものだけを出す、という徹底したコンセプトのお店で、原発関連の書籍などもいっぱいありました。良いお店です。いろいろ、久しぶりにお話させていただき、懐かしいと同時に、いろいろ勇気をいただきました。

その後、畑に行きまして、大根、小松菜、ホウレンソウ、ミズナを収穫しました。なかなか楽しく美味しいです。

夜は、新聞記者さんと写真家さんのお宅にて、月に一度のミーティング。もともと、震災で避難して来たアーティストの職探しプロジェクトとして始まった会は、色々な交流の場になっております。本日は、セネガルに間もなく出発するダンサーの壮行会も兼ねておりました。本屋さんともお話したり、俳優さんとも楽しく交流しました。気がつくと深夜3時を過ぎておりまして、夜更かしをしてしまいました。




鍵ハモトリオの15曲連載 第13回 三沢治美「Blue Dance」

何か、演劇や映画のサントラを演奏しているような気になる音楽です。冒頭の笙のような和音、ジャズ風のフレーズ、タンギングによる連続する和音など、鍵盤ハーモニカに自然な演奏が効果的に用いられている。作曲者自身がライブハウスなどで鍵盤ハーモニカを演奏するプレイヤーであるからだろう。そういう意味で、譜面に素直に演奏すると、自然に違和感なく演奏できてしまうため、逆に、それ以上に譜面を細かく解釈し演奏をさらに深めていくために、どうしたら良いかが、なかなか見えにくいとも言える。そこが大きな課題です。ところが、この作曲家は、リハーサルの音源を聴く度に、譜面に何度も改訂を加えていくのです。ひょっとすると、当日のリハーサルを経ても、微妙に曲は変化していくのかもしれない。そういう意味で、まだ変化し続ける音楽のようです。

http://www.jscm.net/?p=1777