野村誠の作曲日記

作曲家の日記です。ちなみに、野村誠のホームページは、こちらhttp://www.makotonomura.net/

釜ヶ崎芸術大学、初日

大阪のココルーム主催の釜ヶ崎芸術大学5回講義の第1回。平日の14時〜16時に、来るんだろうか、と行ってみると、20人以上の方々が、待ち構えておられました。

既に、天文学や詩や哲学などの講義が行われておりまして、詳しくは「釜ヶ崎芸術大学」のウェブサイトで講義ノートも読めます。

http://www.kama-media.org/japanese/geidai2012/

これまでの釜ヶ崎芸術大学の講義の話をお伺いしたところ、天文学で1光年という距離について教わった、とのこと。光の速さの話をきっかけに、音の速さの話などから、色々と脱線してお話させていただきました。

音を消すには、どうしたらいいのか?という質問もあり。これは、物理学的な質問でもありますが、哲学的な質問でもあり得ます。

えべっさん」という即興音楽が一曲できました。

何か野村作品を弾いて欲しいとのリクエストがあり、「インテルメッツォ」を演奏。

急に、演歌の楽譜を渡されて、これ弾いてくれ、とリクエストされる時間もありました。その演歌は、ラ、シ、ド、ミ、ファの5音から成っていたので、この5音を用いた歌を一曲つくってみることに。「あなた」という歌ができました。

2回目以降、もっと深みにはまっていけそうです。

釜ヶ崎芸術大学」で、ぼくは音楽の講義を行うわけです。逆に、「釜ヶ崎」の日雇い労働者の方が講師を担当する授業というのはできないのかなぁ、とも思いました。ドヤ街では、狭い宿泊施設の外に、共有空間が様々にあります(炊き出し、焚き火、様々な集会所など)。こうしたシェアする仕組みやコミュニケーションのあり方などは、釜ヶ崎の外部の世界の人々にとって、学ぶべきことは多いはずなのです。釜ヶ崎は、色んな意味で学びの場になり得るなぁ、と思いました。