野村誠の作曲日記

作曲家の日記です。ちなみに、野村誠のホームページは、こちらhttp://www.makotonomura.net/

キーコレ本番

ということで、10日間に渡る小学生と舞台を作るワークショップの10日目。今日は本番です。

7日目から新しい作品を作り始めた高学年チームは、早めに集まって練習。この人たちは、最初の5日間は、非常にのんびり、ゆったりとワークショップを過ごして、突然7日目から、追いつめられた人になってきましたが、今日、またリハーサルで少しずつ修正されて、ようやく「ナナリンピック」の方も本番が迎えられそうです。衣装を急遽、昨日の帰り際に体操服にして、よかったです。

一方、低学年チームは、すごい集中していて、リハーサルの時間が90分とってあったのですが、20分を余して、全部やるべきことが終わってしまいました。いつもあんなに騒々しいのに、ここぞという時は、非常に優秀だ。

ゲネプロ、本番と、それぞれとてもいい感じでできたと思います。本番中に、なわとびのなわが壊れたグループが二つもあったそうで、でも、それでも何とかしてやりきった子どもたちは、大したものです。

10日間も同じ子どもと顔をつきあわせて作品を作るのは、初めての経験ですが、これは、本当にいい経験でした。アシスタントをつける予算があったのに、アシスタントをつけずに一人でワークショップをし続けて、大変でしたが、アシスタントをつけなかったから、全部、子どもたちと直接向き合えて、直接関われてよかったな、とも思いました。

客席に、ピアニストの谷川賢作さん、ダンサーの森下真樹さん、作曲家の松本祐一さん、演出家の柏木陽さんほか、仙台から来てくださった方など、色々な顔が見えました。予約以外に予想以上に多くのお客さんが集まって、超満席。

今回、作曲家が子どもたちとダンス作品を作るという初の試みでした。多分、他の国でもこんな試みはない前代未聞のケースだと思います。美術家が子どもたちと演劇作品を作るとか、演出家が子どもたちと美術作品を作るというような試みが、いずれ行われるかもしれません。今回の試みが前例となって、そう言うプロジェクトが定着していくかもしれない。2020年くらいになったら、ああ、2009年の野村誠と子どもたちによって行われた「ウインドセプテット」、「ごしゃんぽん」、「ナナリンピック」の3つの作品が、そうしたことの先駆けだ、と語られるようになるかもしれないなぁ。

東京にいる子どもたちだし、また、会えるかもしれませんね。みんなおつかれさま。次、会う機会があれば、ダンスを作るという場ではなく、音楽を作るという場で会いましょう。

松本祐一さんの新曲

同時代の作曲家に鍵ハモトリオの委嘱をしております。松本祐一さんから、新作の譜面が手渡されました。これはまた非常にユニークな作品で、上演するのが楽しみです。次は、どこで鍵ハモトリオの演奏会しましょう?やってみたい方々、いませんかーーー?