野村誠の作曲日記

作曲家の日記です。ちなみに、野村誠のホームページは、こちらhttp://www.makotonomura.net/

2020-09-01から1ヶ月間の記事一覧

JACSHA城崎レジデンス 三日目 山の竹野

JACSHA(=日本相撲聞芸術作曲家協議会)の城崎国際アートセンターでのレジデンス三日目。昨夜、文化庁の継続支援の申請書を書いたため寝不足で眠く、フラフラ。 しかし、朝の「四股1000」には、アートセンターのスタッフも参加し、オンラインで繋がっている…

JACSHA城崎レジデンス 二日目 映像作家からの返事

JACSHAの城崎レジデンスの二日目。 新型コロナウイルスは、人々が対面する機会を次々に奪っていく。そして、人と人の間に透明の壁がたくさん作られ、人と人の間にディスタンスができていく。人と人が出会うこと、人と人が交わり合うこと、そうした機会が次々…

JACSHA城崎レジデンス初日 下駄四股

城崎国際アートセンターに到着!いよいよJACSHA(日本相撲聞芸術作曲家協議会)の15日間のレジデンスが始まる。本日が初日。 JACSHA野村と JACSHA里村が京都から電車で移動し、城崎入り。鳥取から移動の映像の波田野さんと合流し、アートセンターにチェック…

《Etude for ZOOM session 5&6》試演

城崎国際アートセンターでのレジデンスが明日からに迫っている。大相撲秋場所は、今日が千秋楽。今朝もしっかり1000回四股を踏んで始まる。 昨日、作曲が完了した新曲《Chant for Sleep》について、キュレーターのDayangから確認がくる。新曲には、必ず声を…

Chant for Sleep

昨日のPCR検査の結果が電話で来て、陰性とのこと。これで、城崎でのレジデンスを無事始められる。城崎国際アートセンターのウェブでも、紹介されている。 日本相撲聞芸術作曲家協議会(JACSHA)『オペラ双葉山~竹野の段』滞在制作 成果発表コンサート|公演…

土砂降りの後の川辺のダンス

今朝は、生憎の土砂降りだったが、意を決して鴨川で撮影。川に着くとあっという間に小降りになり、しばらくすると奇跡的に雨があがる。疫病の収束を待つのは、雨宿りに似ている。雨足が強くなるのか弱くなるのか読めない中、雨宿りをするのか、それとも雨の…

数字の作曲/フィジカル作曲

9月28日からの城崎国際アートセンターでのレジデンスが迫っているのと、Composite by the Numbersのための新曲の作曲が佳境で、さらには文化庁の文化芸術活動の継続支援事業に応募しようと思うなどなど、バタバタする1日。 朝の「四股1000」を経て、作曲して…

消しゴムをいっぱい使う

今日も新曲の作曲作業。久しぶりに、鉛筆と消しゴムを使って五線譜に楽譜を書き続けている。最近は、浄書ソフトに楽譜を入力していくことが多いが、2006年頃までは譜面は全て手書きだった。久しぶりに手書きの楽譜を書いていて、山盛りの消しゴムのカスが出…

明治の一人相撲

小沢昭一著の「私のための芸能野史」(筑摩書房)、読了。本当に面白い本で、最初が「万歳」で始まって、途中で、「女相撲」、「浪花節」などを経て、「漫才」があって、最後に「ふたたび万歳」が来る。実際の大道芸人たちへのインタビューがとてもリアルで…

ZOOMはフルートのパタパタが好き

「千住の1010人 in 2020年」は、当初の予定から大転換して、10月31日にオンラインの音楽祭のような感じになり、1日だけに収まり切らず、さらに11月以降にも続いていく見込み。そのためのテストが、次々と進行中。 オンラインでコンサートやトークの配信をす…

単音から和音を経てクラスターへ

Composite by the Numbersは、フィリピンのキュレーターDayang Yraolaがキュレーションするウェブ上の展覧会。現在のパンデミックの状況を踏まえて、そのデータをもとに楽譜をつくり、それを演奏した動画をあげる。ということで、各アーティストが、文章(ス…

ディストーション・コンガの衝撃

ディストーション・コンガが衝撃だった。打楽器奏者の神田佳子さんがZOOMでコンガを叩いてくれたのだが、それは、エレキギターのディストーションのように、歪みまくってロックンロールに聞こえたのだ。今朝の「四股1000」でのこと。こういう偶発的な事故の…

コロナのデータの解析とケンハモオンラインの可能性

8月のweb版こどもアートサーカスのアニメ「みんなの冒険」が公開になった。この曲は、8月の『初代高砂浦五郎』を初演した直後に、北斎バンドへの新曲『Remote Tanabata 2020』を作曲した直後、収録の直前にエイヤーと作曲したものだ。すでに懐かしい夏の思い…

脱皮に向けて

今日は新月。何か新しいことが始まる予感。 と思ったら、「アートアクセスあだち 音まち千住の縁」より、こんな告知が公開されていた。 「アートアクセスあだち 音まち千住の縁」2020年度大規模イベント中止のお知らせ | アートアクセスあだち 音まち千住の…

ゴルフと現代アートとだじゃれ音楽と

以前、美術家の島袋道浩くんがワタリウム美術館で個展をした時に、展示室にゴルフ練習場を作った。美術館に来る人は、現代美術に興味があり、ゴルフに興味があるとは限らない。どちらかと言えば、ゴルフに興味のない人が多いだろう。ゴルフをするつもりのな…

香港でのコミュニティ音楽の国際会議、オンラインになりそう

今日はイギリスとの連絡が多かった。BBCラジオのLate Janctionという番組で、「瓦の音楽」や「ノムラノピアノ」の音源をかけてくれたNick Luscombさんから、何やら面白そうな連絡が来る。ニックさんは、以前、BBC worldでも取り上げてくれた。その時の動画は…

《おっさん姉妹のために》リモート世界初演

本日、野村誠作曲の「おっさん姉妹のために」が、おっさん姉妹(片岡祐介+鈴木潤)により世界初演になった。ちょうど5ヶ月前に、おっさん姉妹による遠隔2台ピアノの配信を見て、タイムラグがあって音がずれ合うのが面白いので、ずれ合う遊びの曲を書いて…

おっさん姉妹のために

明日9月14日14時、「おっさん姉妹」(=鈴木潤+片岡祐介)が、野村誠作曲「おっさん姉妹のために」を、リモート初演するそうだ。4月13日に作曲、5ヶ月の準備期間を経て、ついに世界初演。どんな演奏になるか楽しみ。 www.youtube.com ちなみに、作曲した時…

コロナだから、ディスタンスだから、生まれてくる数々の発想

作曲日記なのに、作曲の話と同じくらい相撲の話が出るようになっている。最近、ますます、音楽と相撲の間に境界を感じないくらい相撲を音楽だと思っていて、今日も相撲という芸能を音楽として味わった。今朝は、土俵祭り。 大相撲9月場所が明日から始まるの…

composite by the numbers

キュレーターのDayang Yraolaとは、京都で出会い、その後、マニラと香港で再会した。彼女から《Composite by the Numbers》というプロジェクトに誘われたのが数ヶ月前のこと。コロナ禍で通常の展覧会などができない中、ウェブ上での展覧会/コンサートをキュ…

コロナ以降の音楽と相対性理論と量子力学

今朝の「四股1000」はインタビュー形式。「私と相撲」のテーマで話してみると、運動音痴だったぼくが、小学生時代唯一クラスメイトの男子たちと対抗できたのが相撲だった。速く走れなくても、高く飛べなくても、腕力がなくても、相撲だけは勝てた。相撲で技…

重陽の相撲聞芸術

あんなに猛暑だったのが、急に秋っぽくなってきた。冷房は不要になり、扇風機も要らない。この季節が好きだ。日本で演奏活動をすると、大概の場所では、生音の繊細な音色を聴いてもらおうと思うと、夏と冬は空調のノイズが邪魔をすることが多い。正直、春と…

読書しながら無意識に左手ピアノ

本を読みながら、ピアノを弾いていることがよくある。右手で本を持ったり鉛筆を持ったりしていて、左手でピアノを弾いている。左手だけで無意識に適当にピアノを弾いている。里村さんが不思議そうに見るので、何が不思議なのだろうと思うが、本を読みながら…

ZOOMを楽器として扱う

問題行動マガジンに書いた記事「06. 排除に自覚的になったのは – 問題行動マガジン」が公開になった。いつも廊下に立たされていた小学校時代のエピソードを綴ったもの。 里村さんとリリース準備でお絵かき。こども時代に、絵を褒められたことはなく、学校で…

北斎、高砂、すみゆめ

本日、「すみゆめの七夕」by 北斎バンド@すみだリバーサイドホール、公開収録。 北斎バンド 竹澤悦子:箏 片岡祐介:木琴 元永拓:尺八 尾引浩志:イギル 野村誠:作曲 この編成、面白いんですよ。箏と木琴が短い音が出るリズムセクションでしばしば対にな…

リバーサイドの北斎バンド

9月5日は、ジョン・ケージの誕生日。1992年、80歳になる直前にケージが亡くなってしまったのはショックだったし、ぼくは水疱瘡になって、1992年9月5日のpou-fouのライブに欠場した。自分的には熱があろうと出演する気持ちは満々だったが、他人に感染させるリ…

楽譜はガイドです(戸島美喜夫のメッセージ)

ついに、野村誠作曲「初代高砂浦五郎」の竹澤悦子さんによる素晴らしき世界初演の動画が公開になった。あまりにも素敵な演奏なので、ぜひ、お聞きください。 www.youtube.com 今年の7月に25絃箏のための新曲「世界をしずめる 踏歌 戸島美喜夫へ」を作曲した…

瓜生山の京都芸術大学へ

本日は、(瓜生山の)京都芸術大学に行ってきた。島袋道浩くんが2週間の集中講義に来ていて、ぼくも特別講師に呼ばれたのだ。これは、グローバルセミナーという大学院のコースで、年間6人のアーティストを招聘して集中講義を行うもの。アメリカ、台湾、中…

メロディオンの生みの親

鍵盤ハーモニカをリサイクルで10台も集めたのは1993年だが、本気でやろうと決意したのは1996年だ。バカみたいな宣言文を書いて、そして、楽器メイカーも訪ねたいと思ったところ、鈴木楽器は快諾してくれて、1996年6月に浜松の鈴木楽器を訪ねた。当時、社長だ…

北斎音楽、オペラ双葉山、リモート1010人

9月が始まったのに、相変わらず京都は猛暑。9月、10月と3つの大きな仕事が3つ。 1)北斎バンド (9月6日) 2)オペラ双葉山 竹野の段 (9月28日ー10月12日) 3)千住の1010人 in 2020年 (10月31日) この3つのプロジェクトを、コロナ禍の中、どうやっ…