野村誠の作曲日記

作曲家の日記です。ちなみに、野村誠のホームページは、こちらhttp://www.makotonomura.net/

どんどん日田どん!吹奏楽アレンジ作業

1月29日のパトリア日田15周年記念公演

 

オリジナル日田ミュージック

《どんどん日田どん!》

林業祇園囃子・相撲の神様大倉永季をテーマにしたコンサート

 

を準備中。先週、日田少年少女合唱団が歌う5曲の譜面を書き終えたが、今日は、日田林工高校吹奏楽部と大山中学校吹奏楽部が合同で演奏する吹奏楽の譜面を書いていた。今日書いたのは、

 

祇園囃子の水郷節 (Scene 5)

木レンジャーのテーマ (Scene 6) 

優勝した日田どんのコラール (Scene 17)

 

の3曲。Scene 13の《あなたの相撲のお相手は》の作曲をすれば、吹奏楽の作業が終わる。今月末に書き上げる予定。その次はチェロとピアノでやるシーンの作曲で、これは本番1ヶ月前の年末にはあげたい。

 

 

野村誠のピアノ教室/祇園囃子の水郷節

《春日の50の物語》の解説動画『野村誠のピアノ教室』の1〜10回の動画編集があがってきた。確認中。大ホールの舞台上で行って、カメラが遠くにいたので、大声を張り上げていたので、改めて見ると不自然なほどテンションが高い。今週末に、少しずつ確認していこう。

 

1月29日のパトリア日田大分県日田市)の公演『どんどん日田どん!』に向けて、吹奏楽の譜面を書いている。昨日、書いていた《祇園囃子の水郷節》に、もう少し水郷節のフレーズを忍び込ませる。日田祇園囃子を聞いたことがある人が聞いたら、あれ知ってるフレーズが聞こえたような、と空耳するくらいには、入れてみた。もちろん、知らない人が聞いても問題ない。

 

大雑把な構成は以下のような感じになりそう。

 

ACT1 祇園囃子の段

 

1  誕生 演奏:日田祇園囃子保存会《水郷節》

2 相撲の稽古 演奏:パトリア音楽工房《木の一番太鼓》

3 何度も優勝 演奏:日田少年少女合唱団《ガチガチ・ムキムキ》

4 父の死 演奏:宇野健太(チェロ)、古賀美代子(ピアノ)《父の死》

5 観音様のお告げ 演奏:大山中学校吹奏楽部、日田林工高校吹奏楽部《祇園囃子の水郷節》

6 木を切り寺社をつくる 演奏:大山中学校吹奏楽部、日田林工高校吹奏楽部《木レンジャーのテーマ》

 

ACT2 林業の段

 

7 たたみ石 演奏:宇野健太、古賀美代子、パトリア音楽工房、日田少年少女合唱団《たたみ石》

8 相撲大会の招待状 演奏:宇野健太、古賀美代子、パトリア音楽工房《相撲大会の招待状》

9 仏像をつくる 演奏:宇野健太、古賀美代子、パトリア音楽工房《木レンジャーのテーマ》

10 女の子 演奏:日田少年少女合唱団《女の子》

11 あなたの相撲のお相手は 演奏:パトリア音楽工房、大山中学校吹奏楽部、日田林工高校吹奏楽部《あなたの相撲のお相手は》

 

ACT3 相撲の段

 

12 土俵入り 演奏:野村誠、古賀美代子《相撲聞序曲》

13 出雲小冠者 演奏:宇野健太、古賀美代子、日田少年少女合唱団《出雲小冠者》

14 優勝した日田どん 演奏:パトリア音楽工房、大山中学校吹奏楽部、日田林工高校吹奏楽部、日田少年少女合唱団《優勝した日田どん》

15 日田どん、その後 演奏:宇野健太、古賀美代子、パトリア音楽工房《カエルのカノン》

16 エピローグ 演奏:日田祇園囃子保存会、宇野健太、古賀美代子、パトリア音楽工房《八重桜》

 

 

 

 

ガチャ・コン音楽祭Vol.2から1ヶ月/日田どんの時代

山城大督さんから、『ガチャ・コン音楽祭Vol.2』の編集動画の初校が届く。昨年の動画もよかったけど、今年もいい。いくつかの修正希望を出す。公開が楽しみ。

 

www.youtube.com

 

作曲年鑑の確認など、滞っているメールの返信や書類の山をさばく。

 

一年前の今日、偶然、「日田どん=相撲道の神様=大蔵永季」の存在を知る。あれから一年経ち、《どんどん日田どん》に取り組んでいる。これまで、「相撲節会」という平安時代の相撲の儀式について、興味を持って、さまざまな文献を読んできた。相撲節会は、記録が残る最初が平安以前の734年で、最後が1174年。日田どんが初めて相撲節会に参加したのが1071年。時代は、藤原氏摂関政治の時代から、後三条天皇大江匡房を重用して延久の善政と呼ばれる改革をした時代。11世紀後半に、貴族の時代から武士の時代に変化していく過渡期の院政の時代に、相撲節会が頻繁に催され、35年間に15回も出場した日田どん。大江匡房は、「洛陽田楽記」を書いた人でもある。永長の大田楽が1096年。大江匡房が日田の大原神社に飾る看板を書いたという言い伝えもある。匡房は、1098年に太宰府に下向しているようだ。文献を読んでいるうちに、1日が終わっていく。ふうっ。

 

春日の50の物語/相撲の歴史

4日後には、「パープルリボン作曲賞」の本選会。今日も候補作品を演奏してみる。

 

《春日の50の物語》の譜面にワークショップの参加者の名前を書き込んでいく作業と、タイトルの英訳を書き込む作業。高学年の子どもたちに提出してもらった作曲メモに名前を書き込んでもらっていないので、誰がどれを書いたかが分からず困る。ワークショップの映像を見て、だいたい判別できたのだが、それでも分からないところもあり、最終的に誰が何色のペンで書き込んでいたかをチェックして、どれが誰かが判別できた。ということで、なんとか50曲分の譜面に必要な情報を入れられた。

 

新田一郎『相撲の歴史』を久しぶりに読み返す。相撲節会に関する章を読むと、説話文学などに登場する当時の有名な相撲人の名前が10人ほど挙げられていて、その中に日田永季の名前もあることに気づく。

 

bookclub.kodansha.co.jp

 

 

春日の50の物語/表彰状がくる/踊れ!ベートーヴェン/不知火美術館

《春日の50の物語》の演奏動画の映像確認作業を終える。

 

《春日の50の物語》の楽譜に、ワークショップ参加者の名前を入れていく作業を開始。原案が個人である曲、グループである曲、いろいろあって、それを確認しながら名前を入れていく。ついでに、タイトルの英訳も入れていく。英語のタイトルをどこに入れるかのレイアウトを考えているうちに、時間がすぎる。5曲目までやる。まだ、いっぱいだ。

 

前橋市から表彰状が送られてきた。ぼくはアーツ前橋でワークショップしたり、作品が収蔵されたりしているけれども、前橋市にそんなに貢献している気がしないので、不思議ではある。

 

大阪日日新聞に9月のマルガサリのコンサート評が出たようで、記事が送られてくる。《踊れ!ベートーヴェン》は1996年の初演時は、京都新聞の記事になり、26年後に大阪日日新聞の記事になった。

 

夜は、里村さんが不知火美術館についてプレゼンするそうで、そのプレゼン資料に意見を求められる。いろいろ話してキーワードに整理されていくと、KOSUGE1-16の展覧会も、中野裕介/パラモデルの展覧会も、すごく面白い展覧会だったと改めて思った。

パープルリボン作曲賞自宅で予備審査中/春日の50の物語

11月25日に第1回「パープルリボン作曲賞」の本選会があり、審査しなければいけない。いきなり行って、その場でコンサートを聴いて審査するほど簡単なものでもない。なぜなら、同じ譜面でも演奏が悪ければ悪く聞こえるし、演奏が素晴らしければ良く聞こえる。演奏を聴くだけで審査してしまうと演奏者の力量や出来に大きく左右されてしまう。だから、事前に全ての譜面を予習しておく必要がある。今日は、予選通過の全作品をピアノで弾いてみた。連弾の曲もあるが、それも、一応、弾いてみたし、ピアノを弾きながらグンデル(ガムランの楽器)を弾く曲もあるが、これもグンデルのパートもピアノで弾いてみた。全部弾いてみて、一度、審査をしてみる。

 

第1回パープルリボン作曲賞

 

春日市ふれあい文化センターのプロジェクトで作った《春日の50の物語》を収録したのが、ちょうど1ヶ月前だが、その編集動画がきらめきフォトサービスよりあがってきたので、その確認。確認を始めると、タイトルの入れ方、色味、音のつなぎ方など、色々修正をお願いしたい箇所があり、今日だけでは全部チェック無理で、23曲目までをチェックした。どの曲も懐かしい。

 

 

 

 

 

 

高村木材さん/河童と相撲/高梨麻梨香さん

高村木材さんに楽器製作の打ち合わせ。パトリア日田の中村美波さん、川端都古さん、及川康江さんと伺う。高村真志さんの話が面白く、話は愉快に無限に続いていく。

 

www.youtube.com

 

オリジナル木琴を大中小、ペダル式のオリジナル板楽器、肩から下げるオリジナル柱楽器、バス木ドラムなど、アイディアは尽きないので、予算の範囲内でお願いしようと思う。楽しみすぎる。

 

打ち合わせの後、日田を出発。中村さんは今月いっぱいでパトリアを離れるそうで、非常に残念。車内で中村さんが集めてくれた河童と相撲の資料を読む。中村禎里『河童伝承における人的要素』を読了。江戸時代にも日田やその周辺にも河童は多数出没して、人間と相撲をとっている。河童の多い地域とキリシタンの多い地域が一致しているという考察も面白い。

 

帰り道(久留米で乗り換え時)、アーティストの高梨麻梨香さんとお会いする。秋田公立美術大学の大学院生で、現在、九州にレジデンス中。音の作品を作る方で、京都市立芸術大学で小山田徹さんに会った時に、野村誠に会うように薦められたそうで、今日、初めてお会いした。ポートフォーリオを見せていただいたり、音源を聴かせていただいたりもした。フィールドリサーチに基づき、フィールドレコーディングした音源を編集して作っている楽曲も面白く、いろいろ刺激を受けた。ぼくも、日田の町の音を録音したくなった。1月のレジデンスの成果展で彼女の作品を体験したいなぁ。

 

meijikan.jp

 

帰宅後、日田の少年少女合唱団のための楽譜を大慌てで修正して、発送。ふうっ。